岡山県下に12団あるガールスカウト。岡山市東区で活動する第11団にお邪魔した。今回のイベントは「クリスマスとお正月の飾りを作ろう!」金色のスプレーを吹きかけた松ぼっくりをクリスマスツリーに見立て、ビーズを飾りつけたり、自分達で田植えや稲刈りをした藁でお正月飾りを編んで作った。

「リーダー教えてください」先生ではなくリーダー。少女会員はスカウトと呼ばれる。大人になったらリーダーを目指すスカウトも多い。リーダーは講習を受け、単位や資格を得て、スカウト達を導く。5歳~100歳まで生涯、活動可能。ガールスカウト岡山県第11団は、平成47月に発団し23年目を迎えた。

 

ガールスカウトは、1910(明治43)年にイギリスで発祥。1907(明治40)年に始まったボーイスカウト活動の創始者、ロバート・ベーデン-ポウエル(以下B-P)が、ボーイスカウトに倣うのではなく、少女には少女に合ったやり方があり、運営は女性に任せるべきと考え、ガールスカウトを創設した。

 

後にガールスカウトを委ねられたB-Pの妻オレブは、女性は男性と同等のパートナーであること、自信をもち、積極的に社会参画することを尊重。少女たちの素質と才能を引き出し、社会に役立てるためのプログラムを作った。やがてガールスカウトは、イギリス国内にとどまらず、少女と女性に力をつけることの大切さを世界中に広め、共感した世界中の女性たちに支持され、国際組織へと変貌していった。

 

1920(大正9)年にイギリスから日本にも伝わり、全国各地へと広がった。第二次世界大戦中、一度活動を休止するが1947(昭和22)年、戦後の焼け野原において、日本の未来を担う少女達に力をつけること、明るい未来を見せることが重要であると考えた女性達により「誰の手を待つまでもなくわたしたちの手で」を合言葉に、ガールスカウト活動は再開。2年後には、東京に「ガール・スカウト日本連盟」(日本支部・事務局)が正式に誕生。今では146の国で1000万人の会員が活動し「自ら考え行動できる女性」を育てている。自己開発、人とのまじわり、自然とともに、の3つが活動理念だ。

 

「一番の思い出は、夏のキャンプ」と話す6年生のアコちゃんは父に勧められ入団。6年間活動し、何でも自分で出来るようになったという。3年生のクレハちゃんは、友達と見学に来た時に楽しかったので入団。クリスマス会のケーキや、ご飯作りが楽しかったと話した。入団のきっかけは、さまざま。この日の出席者は体験に来た人たちも含め全員小学生。部活動がある中学生以上は夜間に集会をするなどの工夫をしている。

 

安価で何でも買えるようになったが、藁を無駄にしない考え方、落ちている松ぼっくりを素敵に変身させる知恵、材料を渡され「自由に作ったらいいよ」「あっ思いついた」「リーダーこれどうやったらいいですか?」先生や保護者以外の大人や他学年との関わり、コミュニケーションしながら仕上げていく過程、作品を完成させる達成感、全員で行う片づけや清掃活動。少女や女性の可能性を最大限に伸ばし、責任ある世界市民になれるよう活動するガールスカウトは、創立105年を迎えた現在も、また今後ますます必要とされる活動なのではないだろうか。